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<読書レビュー>『やめるときも、すこやかなるときも』窪美澄 [読書]

先日、友人からおすすめしてもらった本を読みました♪

それがこちら!

『やめるときも、すこやかなるときも』
著者:窪美澄




あらすじ



家具職人の壱晴は毎年12月の決まった時期に数日間声が出なくなる。
制作会社に勤める桜子は経済的に実家を支えていて、恋愛とは程遠い生活をしていた。
そんな二人が出会い、一夜を共にする、、、
その後偶然再開し、恋をする。
大切な人を忘れられない壱晴と恋の仕方を知らない桜子。
そんな二人がお互いの弱さに触れて、共に生きていく。
生きるということを考えさせられると共に、読んだ後には前を向いて進んでいける一冊。


窪美澄さんによる多彩で細やかな情景描写



今回友達に勧めてもらって、初めて窪美澄さんの小説を読みました。

全体的に重いトーンで物語は進んでいきます。
重いテーマを扱っているので読みにくさがあるかなと思ったのですが、
「人生」とか「生きるということ」に向き合いながらも、すごく読みやすいと感じました。
そして読んだ後は前を向いて頑張ろうと思える作品です。

それは作者である窪美澄さんによる、多彩で繊細な表現力によるものではないでしょうか。

主人公を取り巻く空間をイメージしやすくて、文字を目で追っていくことで、物語が映像として頭の中に浮かんできます。

視覚から入る情報だけじゃなく、
音を使って聴覚から入ってくる情報、
匂いなどの嗅覚からの情報や天候や気温などの肌の感覚など、
五感を使って情景や登場人物の心の動きが巧みに表現されていて、スッと心の中に入ってくる。

登場人物たちの抱える一言では言い表せないような感情も、多彩な表現で表されていて、自分の中でのイメージを膨らませることができました。


人は皆何かを抱えて生きている



この本を読み終わって私が一番感じたことは、
「人は皆、何かを抱えながら今を生きている」ということです。

自分が何か悲しいことや辛いことに出会うと、「どうして自分ばっかり。」と思ってしまいがちです。
しかし、辛いことが起きるのは自分だけではありません。

元気そうな顔をしていても、顔に出さないだけで辛いことを抱えているかもしれない。
過去に辛いことを経験しているかもしれない。

いろんなことがありながらも時は進み、人は皆今を生きている。

そんなことを思いました。

私は人と比べるとそれほど壮絶な体験をした人生ではありません。
それでもたまに「なんで自分ばっかり、、、」と思うことがあります。
この本を読んだ時も、仕事で課題にぶち当たっている時でした。

しかし、自分だけではないんだ。みんな心に何かを抱えながら今を生きているんだ。
と自分だけしか見えていなかった視野を広げてくれました。


今という時間を大切にすること



もしかしたら明日自分の命が終わりを迎えるかもしれない。
目の前にいる人と話すのはこれが最後になるかもしれない。
そんなことを考えさせられる本でした。

限りある人生だからこそ、今生きている時間を大切に精一杯生きて、伝えたいことは伝えていく。
そんな生き方をしていこうと思えました。

今までの私は自分の思っていることをあまり人に出さない性格だったのですが、
人に対して伝えたいことはいつでも伝えられると思っていたら後悔すると感じて、
感謝の気持ちや愛情は思った時にきちんとその人に言葉と行動で伝えていこうと思います。


まとめ



「人生」や「生きるということ」をテーマに深く考えさせられる本でした。
でも、自分の人生に向き合うからこそ前を向いて、足を進めることができる。

辛いことや悲しいことは生きていると誰にでも経験することはあるし、
だからこそ人生は彩り豊かなものになっていくなと感じました。

今回初めて窪美澄さんの著書を読みましたが、心に深く響くものを感じました。
他の本も手にとって読んでいこうと思います。

ありがとうございました。
また次回の投稿でお会いしましょう[るんるん]

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